風も生きてるんだろう
時々 声を上げて泣くから
雨も生きてるんだろう
落ちてもまた 空へ還るから
誰かの “悲しい” は
僕の “悲しい” じゃないから
なかなか分からない
誰かの “痛い” は
僕の “痛い” じゃないから
なかなか分からない
だから時々 空を見上げる
だから時々 目を閉じる
君もひとりで
泣いたりするのかな
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群青
on 2008/05/22
歩みを忘れ
瞼でシャッターを切る
あなたは自分がどんなに美しいか知らない
そこにいるだけでもう誰かの
光と闇に交差していることを知らない
ただの一度でも
振り向いてくれたなら
この世界は変わるのに
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薄紅
on 2008/04/15
さくらいろのみちは
立ち止まれない
流れゆく春の川
地中深く根を下ろし
この場所で咲くひとよ
あなたを抱えて
進むことはできない
どれほどそうしたくとも
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薄紅
on 2008/04/05
早送りの雲の流れを
見上げる僕はストップモーション
どんどんどんどん忘れていく
忘れたくないことばかり
みるみるうちに目覚めていく
さよなら告げたものばかり
頭の中の選別人は
今日も休まず作業を進める
僕の許可も得ないまま
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鶯
on 2008/03/09
君が星に気づいたとき
はじめて光は君に届く
君が光を受け取ったとき
はじめて光は輝きを放つ
まるで
たった今 生まれたかのように
まるで
たった今 出逢ったかのように
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金
on 2008/02/09
その人は
その人らしいやり方で
その人の望むように
その人になっていく
その人が
その人になるのをやめたら
その人であることを放棄したら
その人は何処へ行くのだろう
その人を待つあの人は
何処かで泣くだろう
その人を知ることもなく
流れる涙にも気づかないまま
ただ泣くだろう
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銀
on 2008/01/02
新聞にも載らない小さな事件が
今日も僕を悩ませる
悩みたい 悩むことで
背負いたい 背負うことで
カチリとネジが
巻かれるから
今日も僕は生きています
これが生きるということなら
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銀
on 2007/11/05
僕は 一体誰なのか
忘れてしまったのに
誰かが呼んでいるような気がする
僕はどんな人間だったのか
忘れてしまったのに
行かなければいけない場所が
あるような気がする
君が 一体誰なのか
忘れてしまったのに
放っておくことが
どうしてもできない
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群青
on 2007/10/15
揺れるときは
おもいっきり揺れる
グラグラして
フラフラして
ワナワナする
そうしていれば
ちょっとやそっとじゃ
倒れない
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黄
on 2007/09/28
目が覚めたら朝だった
今日も朝が
私に逢いに来てくれた
希望は音を立てずにやって来る
また始めることを
許された朝
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金
on 2007/08/25
怒ったのは
愛してほしかったから
傷つけたのは
忘れてほしくなかったから
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深紅
on 2007/08/18
痛みに慣れると危ない
強くなると危ない
僕たちは危ない
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赤
on 2007/08/12
日に焼けた横顔に
少年のあなたが見える
時が面影さえ連れ去っても
私は憶えています
幾人ものあなたが
今この瞬間も生きている
変化でも喪失でもない
無限のあなた
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金
on 2007/08/10
一番に駆けつけて
一番に抱きしめて
一言も漏らさず
一緒になって泣く
僕が君の
その人になる
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橙
on 2007/08/09
祈るような気持ちで外へ出た
汗がいくぶんひいて
動きの速い雲を見た
良くも悪くも僕たちは
やっぱり繋がっているから
同じ空の下にいる限り
僕だけのことじゃないって思う
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薄青
on 2007/08/07
ダイヤモンドの水面に 揺らめく遊覧船
掌のスプーンで 太陽の落とし物をすくう
いつからか楽しいことを
素直に楽しめなくなっていた
何処へ向かうのかとそればかり
時々 目を伏せては
眩しかったのと言い訳する
愛しすぎないようにしていた
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薄紅
on 2007/07/31
波飛沫が
足元にかかるのを
心なしか楽しみながら
砂の上を歩く
また「大好き」が打ち寄せてきて
鼻の奥がツーンとする
あぁ もうこんな時間
君が家に帰る頃
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薄青
on 2007/07/24
薔薇との会話は薔薇とのもの
百合との会話は百合とのもの
そこにしか存在しない導火線に
火がついたなら
むやみに他言はしないよう
外気に触れると
消えるのです
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深紅
on 2007/07/14
生クリームを絞る母の横で
余ったクリームをなめる
そんな日常が好きでした
蝉の声を聞きながら
剥いてもらったびわを食べる
そんな夏休みが好きでした
思い出すのは楽しかったことばかり
いくつかあったはずの悲しい出来事は
ケーキと一緒に食べてしまった
あの家は取り壊されてもうないけれど
私の帰る場所は永遠になくならない
目を閉じればお帰りと
笑ってくれるあなたがいる
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茜
on 2007/07/13
いらなくなっても
どうか
返さないでください
あなたにあげたものですから
返されても困るのです
受け取ってくれた瞬間の
心と心がすべてです
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深紅
on 2007/07/10